鎖骨骨折はスポーツによって受傷することが多く、中でもコンタクトスポーツや手を突く、転倒する、肩の外側を打つなどの介達外力によるものが多い骨折です。
鎖骨は胸部前面にあり、胸骨と肩甲骨に繋がっていて、肩の運動に伴って動きます。形状は真上から見ると緩やかなS字状になっており、内側部では前方凸で最も太く頑丈に作られていますが、外側にいくにつれ後方凸で薄く平坦になっていきます。骨折はこの中央部でS字上に曲がった脆弱な部で起こることが多いのです。
症状
症状は鎖骨の変形、皮下出血、腫脹があり痛みのため肩の運動ができず、特に外側から肩を挙上できなくなります。
治療
治療はほとんどの場合1~2ヶ月の固定ですが、症状が強かったり、小さな骨の欠片ができていたり、スポーツ復帰を早期に開始したい時や美容上の理由でできるだけ変形を残したくない場合があれば手術をした方が良いときもあります。
また、骨折の変形の程度によってもギプス固定か手術かは異なります。Neerの分類にあるように、靭帯が剥がれていて骨折の変形が強いⅡ型(不安定型)は手術の適応となります。靭帯が保たれていて変形が弱いⅠ型、骨折が関節までかかっているが変形がないⅢ型(安定型)はギプスなどの固定となります。鎖骨骨折の大半は固定の治療法です。
固定
固定はまず変形した骨を整復し、整復した位置を保つため胸を反らした状態でしっかりとギプスで固定をします。骨は1ヶ月ほどで繋がり始めますので、レントゲンでそれを確認した後は取り外しができるクラビクルバンド(鎖骨バンド)を使用します。固定期間中は肩こりや患部の痛みの緩和のため低周波を当てたり、痛みが引き始めたら肩の拘縮を和らげる運動や上肢全体の筋肉が衰えないように筋肉トレーニングを行います。このような治療法で鎖骨骨折はほとんどの場合、手術しないで治ります。
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