恥骨とは足の付け根に右と左にある骨です。この周辺にはハムストリングスや内転筋や恥骨筋といった様々な筋肉が付いていて、スポーツ時にはこれらの筋肉が収縮して体のバランスを保ったり推進力を生み出しています。
よってスポーツをすることは恥骨とその周辺にかなりの負担がかかっていることになります。走ったりしてスポーツをしすぎると何度も繰り返しの筋収縮が恥骨にかかりやがて骨折を起こしてしまいます。これを恥骨下枝疲労骨折といいます。
疲労骨折とは、例えば針金をあっちへこっちへ何度も折り曲げていると折れるのを想像すれば分かりやすいと思います。ここの発生頻度は少なくかなり珍しいですが、そのなかでも中学高校の年代に多いといわれています。
症状
症状は、運動時の鼡径部痛(恥骨部分)、そしてその部位の限局的な圧痛、ズボンを履く動作での立ち足の痛み(positive standing sign陽性、痛みは軸足側)があり、この三つが特徴といわれています。この特徴は初検時だけでなく施術中の評価としてもとても有用です。
施術
施術はとにかく安静を約束してもらったうえでの保存療法です。スポーツを中止して、患部を使わないようにしましょう。電気や針通電、痛みが減ったらマッサージや軽いストレッチも行います。しかし、運動だけはさっきの三つ症状が消失するまで待ちましょう。
施術をしっかりして施術をして安静にしていれば4、5か月ほどでよくなるでしょう。
痛みが消失いないまま運動を再開すると、施術するのが長期になり、骨盤が不安定なため恥骨上枝や反対側の恥骨下枝疲労骨折を起こしたという症例もあります。たしかその症例ですと、反対側の恥骨下枝疲労骨折を治すのに合計2年を要したとされています。
スポーツマンにとって安静という何もしない行為はただただ苦痛かもしれませんが、ここは症例のように長期化しないためにもぐっとこらえましょう。(大阪の頃の患者さんがマラソンが大好きでして中止と聞いてがっかりした表情が非常に印象に残っています)
またレントゲンで骨折部位や骨癒合状況を確認しなければならないので、整形外科を紹介するときもあります。
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