今はぎりぎり笑い話だけど当時は必死だった
最近、部屋の片づけで修行時代1年目の頃の勉強会資料が出てきましたが、当時(15年くらい前に)やる内容にしてはえらい難しいのが出てきました。
それが「良性骨腫瘍の画像診断」当時みた単純性骨嚢胞腫の報告だったんですね。勉強会がない日は火曜日と日曜日だけだったので、ほかの曜日でこの疾患を報告したのでしょうが、当時の修行先はヘルニアとか手根管症候群とかは当たり前で勉強会で発表する場合ならよっぽど革新的な何かを発表しないといけないような重く怖い空気だったんですね。「おい、こんな当たり前のもの発表題材に選んだんたらよっぽど内容が前衛的なものなんだろうな、こら」みたいなプレッシャーがすごかったんですね。
そんなもんだからレアネタがなく途方にくれた私は実際に来て困った疾患を発表しました(笑)
いやいやこれはほとんどいないよ来ないよって今でも思います。
私が当時書いたメモ
私のメモのみを抜粋すると「今回、良性の骨腫瘍を持つ患者さんをみさせていただき画像診断について疑問をおもったためこれを(良性骨腫瘍の画像診断)選びました。
割愛。
動脈瘤様骨嚢胞腫の診断として嚢胞内に充満した血液の存在が特徴的所見とされている。しかし骨巨細胞腫や病的FR.後の単純性骨嚢胞腫では内容物が血液様になっている場合があり最終的には病理学的検査を行うとのこと。
治療として内容物注出後に生理食塩水による洗浄を繰り返した後に骨移植するのが一般的であるようです。単純性骨嚢胞腫の診断として嚢腫の内容物が(とうめいな)血清様であれば病理学的な検査は必要しないとされているが病的FR.により血液様のである時もある。
この場合は病理学的検査を必要とする。治療として病的骨折の危険がある場合にOPEとなり方法は嚢胞腫内容物注出後の骨移植や嚢胞腫内容物の吸収を目的としたステロイドの注入や病的FR.の予防を目的としたドレナージを用いる嚢胞内圧減少法などがある。
患者さんに聞いた所、今回はOPEを7/1に予定しており骨嚢腫内容物が血清様か血液様かを調べ、病理学的検査の後に骨移植をするとうかがっております。」
らしいですね笑。今の自分なら笑えてしまいます。
これを久々にみて、こんな激レアなの来ないよ!と当時の自分に突っ込みを入れました。
修行当時、レントゲンをみたとき「何だこれは……」と一人で固まった記憶があります。先輩にも突っ込みたいですね。いやいや1年目がやるようなもんじゃないよ!
7/1だから厳密には3か月くらいですしね。
いやもしかしたら先輩らも困ったもんだから自分に回ってきたのかも?と今になって勘ぐってますが、当時は相当苦労したなという記念品としてこの資料はとっておこうと思います。(その修行を終えて数年したら、パワハラという概念が生まれてその全ての項目があてはまりました。氷河期世代あるあるかもしれません。当時はテレビをつければ最近の若者は甘ったれで男として情けないとか普通に報道されてました。本当に普通に)
でも絶対といっていいほどこんなのは来ないと思います。
万が一にも来たとしても結局は病理学的検査やらOPEが必要になりますし。
もし他の疾患にも興味があればこれらのブログも参考にしてください。
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