上腕骨顆上部とは
上腕骨の下部のあたりです(肘関節よりやや上方)。
この部分はやや骨が薄く小児の肘周辺の骨折の中で最も多い場所です。子供が肘を伸ばした状態で手を突くと上腕骨顆上部に屈曲力が加わりそのまま骨折してしまうのです(伸展型骨折)。
上腕骨顆上骨折には肘を突いて骨折する屈曲型骨折もありますが、圧倒的に伸展型骨折が多いため伸展型のみ説明します。
症状
症状は骨折部のとても強い疼痛、肘全体の強い腫脹、強い圧痛があります。
転位している場合は肘が後方に突出したような変形もみられ、肘周りの幅も増大します。
変形は肘の脱臼にも似ているため注意が必要です。肘の運動はほとんどできません。
施術(レントゲンのある整形外科をお勧めします)
施術は転位や変形があれば整復を行いますが、骨折の状態が強い腫脹で把握できなかったり、他も骨折しているようなら整復を断念するときもあります。
整復が終わったら、三角巾と布を用いた固定に入ります。固定期間は大体5,6週間です。
ここの骨折はフォルクマン拘縮が発生しやすい部分なので、受傷後3日間は特に注意し氷水でアイシングを3回/日は行いましょう。
固定中や固定除去後は浮腫や拘縮の予防改善のため少しずつ患部以外を運動をしていきましょう。
また、整復した後はしっかり整復されたか、他に骨折はないかを調べるために整形外科で再びレントゲンを撮影しましょう。
経過観察もあるのでレントゲンは1週間に1回くらいのペースで撮影しましょう。
骨がつながれば、あとはリハビリを頑張ることになります。
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